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ABOUT  WAJIMANURI

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布着せ本堅地

全工程を細分化すると約124工程ほどと言われる輪島塗は、その優美さや堅牢さから、多くの方に愛されてきました。たった一つのお椀が百以上の工程を経るなど、確かに尋常ではない道程ではあります。

ですが、それは工業の近代化前に手技の最高品として、上物とされる極薄の木地を腐敗から守ったり、縁に布を貼ったりなど、長期使用実現のための工夫でありました。

木地を薄くすることは、天然木の生来のクセや変形を減らすため、木地にできるだけ漆を浸透させて固めてしまう、という目的がありました。

塗り物は、ひっかき傷があっても、研いで塗ると復活させることができます。

​ある程度の厚みがある塗りは、衝撃・傷・目減りに対抗するクッションのようなものです。

値段が張るのも事実ですが、長く使える品物を買って20~30年以上使えば、逆にローコストですし、買い替えの面倒がありません。何より長年使ってきた跡が自分だけのオリジナルになる、というところが良いところです。

修理も利きますから、塗りなおせば、人から人へと受け継ぐこともできます。

 

工程は複雑ですが、アフターケアはすべてがシンプルです。

これが布着せ本堅地たる所以だと私どもは考えております。

屠蘇器イメージ画像.jpeg
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​手作業であること

輪島塗は、ご存知の通りすべて手作業です。

機械で仕上げるよりも、非常に時間がかかるのは事実です。丸いものを研ぐときに、補助としてロクロなどの単純な機械を使うことはあります。職人が自分の手で力加減を確かめて、「痒い所に手が届く」作業をするときは、慣れた道具を使うアナログの方が作業が早いです。

 

販売されていない道具は、自分で器物に合わせて作ります。あったとしても、注文を待っている時間がもったいない、と各々工夫を凝らして制作に臨みます。
 

弊社の職人は、平均年齢50歳以上、平均勤続30年、最古参は50年。
最も長く勤めている同氏は15歳から弟子入りし、以来50年以上変わらぬ品質を作り上げています。

大きな家具は職人自身の持てる身長を大いに使って、小さなお椀は細かいところに気を付けて、それぞれ工夫をこらして塗ってゆきます。

できることを考えて、どうしたらお客様に喜んでいただけるか、「本当にそれを世に送り出してもいいのか」を見定めつつ、輪島塗を創出しています。

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自然に沿うこと

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国指定重要無形文化財である輪島塗は、国や経済産業省が定める要項により、

  1. 器物の目的にあった木材を使うこと 

  2. 漆は、天然の漆液であること

  3. 布着本堅地であること

  4. 伝統的な技法または技術に依ること ​が主な趣旨として定められています。

天然素材で作ること、これは自然循環の流れに乗るということでもあります。

毎日使っても丈夫、というのが売り文句の輪島塗。
同時に、これは衝撃などを与えず大事に扱っていれば、との意味もあります。ということは
、強い衝撃を与えれば壊れたり、経年で摩耗したりもします。それが起こるということは、劣化は欠点ではなく、きちんと土に還る環境に優しい品物であることも示しています。

上記の要項に基づき、ゆっくり漆の時間に合わせながら、輪島塗は生まれてきます。

余談ですが、最近は鑑賞目的での加飾用に、伝統材料に含まれた重金属を除くために、有機顔料の材料を使ったりなど、100%天然でない素材をあえて使ったものもあります。

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多機能な漆器

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 漆器が、断熱・耐薬品・抗菌・耐水性に優れているのはご存知でしょうか。

まず木製品である特徴として断熱性が挙げられます。熱いみそ汁を入れても、その熱さにびっくりして手を離すことはありません。むしろほんわかとした温もりに癒されます。

​しっとりとした塗肌に、おいしいご飯とみそ汁を食べると感慨深いものがあります。

 

漆は酸性の強いph0の塩酸やph0.1以下の王水にも強いことでも知られています。
漆器に慣れ親しんだ方は、塗りのお椀にポットのお湯でインスタント麺等、どんどん使われます。冷酒も飲めば、そうめんも啜り、酸やアルカリに強いのをいいことに何でも盛り付ける。この使い勝手の
良さは、木製実用漆器の素晴らしいところです

 抗菌性にも優れ、大抵の雑菌は毎日使っている限り、蓄積することはありません。ご家庭のペットとの相性に個体差はありますが、フード皿にもお勧めです。

長年使わずに箱にしまっておくと、カビが生える事があります。ですが、表面的なものなので中性洗剤か水で洗えば落ちます。

漆を塗った表面は、水はけがよく、ぬるま湯で洗えばすぐに乾きます。この点から古来では木地を腐敗から守る天然の防腐・耐水塗料として重宝されてきました。

現代では多様な表現方法を実現する加飾・修復材料としても活躍しており、また、実用面においてはやはりこの天然塗料が最適です。

このように多機能性がある漆、今も昔も理にかなっていたのですね。

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輪島塗は赤ちゃんにも使えます

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輪島塗の使用には、かぶれを心配される方もおられますが、基本老若男女問わず、問題なく使用できます。もちろん生後半年くらいの赤ちゃんにもご使用いただけます。
ご誕生をお祝いするお喰い初め膳や、子供椀とスプーン、節句用品など多くの方にご用命頂いております。

 

漆は、湿度75~85%、気温25度前後、空気中の酸素で固まります。

液体のまま触れるとウルシオールによってかぶれが起きます。

ですが、完全に塗装面を固めると、アレルギー反応はなくなります。

上塗り後、完全固化まで、少なくとも一か月以上は必要です。

出荷後は問題ない程度ではありますが、ご心配な方は、常温で暗所に自然放置しておいて下さい。

 

まれに、体質的に合わない方もいらっしゃいます。

その時は速やかに皮膚科を受診されることをお勧めいたします。

母親と赤ちゃん
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輪島塗は、なおしもんができます

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“なおしもん”とは輪島弁でなおす、修理するもの、ということ。
修理して再び長く使える点も輪島塗の大きな特徴です。

但し、塗厚や木地の性質、過去の傷の強度など多くの要因を鑑みると、修理回数には限界があります。木地に問題なければほぼすべて研ぎ落して塗りなおすこともできます。漆は重ねすぎると脆くなるので、実用的な限界強度塗厚が今の輪島塗本堅地仕上げと言えます。

 

さらに、大まかな5層の塗膜が、工程を遡って修理することを可能にしています。

表層だけが傷ついているものは大抵なおります。

木地から割れている場合は、接着面積が広ければ直すことも可能です。

ですが、接着剤としての漆はゴムのように柔軟性がありません。

可能な手は尽くしますが、接着面積が少ない場合、熱湯や強い衝撃を与えると再び割れる可能性があります。以上を踏まえた上で、ではこれはお椀の花活けにして、食卓には新しいのをいただくわ、と仰る方もおられます。

 

ですので、安全面からも、木地から複製して制作することも選択肢に入れて頂ければ幸いです。

状態や、場合によりますので、実物をお示し下さい。修理価格をご提案いたします。

永く使えるように、精一杯”なおしもん”させていただきます。

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